落馬事故は競走である以上は避けられない事故です。
馬も生き物ですから騎手には予測出来ない動きをしたり接触や競走中の故障など、落馬事故に繋がる事象はたくさんあります。
今は競馬キャスターとして活躍する佐藤哲三さんは、2012年11月の京都競馬場での落馬事故で騎手生命を断たれましたし、今年も2月の東京開催の東京新聞杯Gで『ダッシングブレイズ』に騎乗した浜中俊騎手が落馬しました。
過去には岡潤一郎騎手が命を落とすと言う悲しい事故も起こっています。
このような大事に到らなくても落馬事故は皆さんが思う以上に多く起こっています。
レース中に騎手が落馬したらどうなる?払い戻しは?
では競馬のレース中に騎手が落馬したらどうなるんでしょうか?
結論から言うと落馬した馬は失格となり、記録上は出走しての競走中止扱いになります。
時々見ることがあるシーンなのですが、騎手が落馬しても馬には異常がなく、騎手を乗せずにそのまま走り続ける事が有ります。
この場合、たとえ1着でゴールしても失格扱いになります。
ゴールするときに騎手が乗っていなければゴールと認められないからです。
ですから落馬したらその馬が絡んでいる勝馬投票券はすべてハズレになってしまいます。
落馬が失格扱いになるケースとならないケース
では、どこからどこまでが失格扱いになるかと言うと、スタートのゲートが開いた時点から馬の鼻先がゴール板を通過する時点までに落馬すると失格となります。
スタートを切る前にゲート内で馬が暴れて騎手が落ちてしまったり、馬から降りても、失格にはなりません。
この場合は騎手が乗り直して再びゲート内へと誘導されます。
また、スタート前に馬に故障が見つかった場合や放馬で疲労が認められた場合は、競争除外となって勝馬投票券は返還になります。
※放馬 馬が騎手を振り落としてコースを走り回ること
※返還 除外になった馬が絡んでいる勝馬投票券の全てを元返しする事
このように勝馬投票券に関してはゲートから出るか出ないかによって、失格と除外に分けられ勝馬投票券の扱いは変わってきます。ゴールの通過に関しては騎手が落馬しそうになった状態であっても、鼻先がゴール板を通過した時点でゴールと認められます。
サッカーはゴールマウスをボールが完全に通過しないと得点が認められませんが、競馬では鼻先だけでもゴール板を通過すればゴールインと認められます。
2012年のマカオで先頭を走っていた馬がゴール寸前で故障を発生し躓きましたが、鼻先だけはゴールに届きました。
騎手も鼻先がゴールに届いた時にはまだ地面に落下しておらず、ビデオと写真での判定の結果、1着が認められました。
また1990年10月の京都競馬場の新馬戦で、武豊騎手はミスティシュールに騎乗していましたがゴール10m手前で故障を発生し、前のめりに倒れ込みながらミスティシュールの手綱を放さずゴール板を通過後落馬、アクロバティックな騎乗で2着を確保すると言う離れ業を演じたことがありました。
落馬は真剣勝負をしているからこそ起こる事故とも言えます。無いに越したことは有りませんが、レース終了まで馬も人も何事もなく終わって欲しいものです。
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